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【ふみの文】伝説のSNS上司・たかを(2)ファミレス前の追走劇 ※ブログ限定

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【ふみの文】伝説のSNS上司・たかを(1)狙撃級の友達申請 ※ブログ限定
新人時代、無口な上司から昼休みに飛んできた「SNSやってる?」。喫煙所で始まった“友達申請”が、のちの社内騒動の幕開けになる—連載第1話。

前回のおさらい:昼休みの喫煙所で飛んできた「SNSやってる?」。そこからすべてが始まった——。

伝説のSNS上司・たかを(2)ファミレス前の追走劇

部下へ誰彼かまわず「友達申請」という名の銃を放つ上司(仮名:たかを)。
SNSの友達数は潤っているのに、昼休みの雑談を聞く限り、リアルに一緒に行動する仲間は少なそうだった。
……まあ、なんとなく分かる。私が仲の良い同僚と仕事終わりのご飯を相談していると
韋駄天みたいな速さで現れて「僕も行っていい?」と割って入ってくるのだ。
チャットにもよく誘われた。何が嬉しくて平日夜中に上司とチャットをしなくてはいけないのか。
社交的というより、距離感がSNS仕様というべきか。

さて当時の会社は、ダークマターなみのブラック寄りだったが、平社員の仲は良かった。
いまも連絡を取り合う友人ができたほどだ。ここは大切なので強調したい。仲が良いのは『平』同士である。

その日も、たかをのいないタイミングでこっそり仕事後の夕飯の打ち合わせをしていた。
「金欠やし、会社から車で10分のあのファミレス集合ね」

残業を終え、各自マイカーで出発。私は最後尾。
なに食べよう、あの店のフライドポテトおいしいよなーなんて考えながら。
なんであの時にそんなことをしてしまったんだろう。本当に何の気なしに、ルームミラー越しに後ろを見た。

いる!!!
たかをが自分の車(通称:たかを号。私の心の中では)に乗って私の真後ろにいるのだ
まて、彼は私たちより先に帰っていたはず・・・
ぷつぷつと肌に鳥肌が立った。

青信号となり、なんとか正気を保ちつつ車を発進させた。
たかを号は私とぴったり同じルートをついてくる。
心臓が早鐘を打つ。私はいまロックオンされているのだ。
これがハンターに狙われるウサギの気分か・・・

手に汗とハンドルをにぎり、なんとか分岐で撒くことに成功。
あわててファミレスに戻り合流し、この話を同僚に伝えた。
皆ドン引きであったことは皆さまの想像に難くないであろう。
だが、ファミレスで仲の良い人たちと楽しい時を過ごせば
一刻前の珍事など私の中に残るわけがない。
山盛りのフライドポテトをほおばっているとき、ふと誰かが
「…ねえ。これ見てよ」と携帯を差し出す。
画面にはたかをのSNSが表示されていた。

画面:たかをのSNS投稿
タイトル:ひとりぼっち
本文:
ぼくね、今日も会社でがんばったんです。
でも部下は、ぼくを差し置いて飲み会してるみたいで……
ちゃんとみんなと仲良くなりたくて気遣いしたり
まとめてるつもりなのになあ。どうしてかなあ。

……テーブルの空気が、ポテトより先に冷えた。
みんなで顔を見合わせて「えーーーーー」。
そのままなんとなくお開きの流れになってしまった。

ちなみにたかをはその数年後、私の結婚式の二次会に呼ばれなかったとSNSに毒づいた。
おそるべきスナイパーたかを。

でも、ここで終わらないのが『伝説のスナイパー』
次回、波紋はついに家庭のアカウント圏に—
誠に恐縮なのだが、もうしばらくの間、私にお付き合い願いたい。

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■ふみの文
テキストのエッセイで子育て、暮らし、ワーママとしての日常で思ったいろんなことを投稿しています。コミックエッセイとはまた違う形でお楽しみください。

読んでくださってありがとうございます

また遊びにいらしてくださいね。

■ふみの文
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